sports diary of treasure

サッカーを語ります。好きなチームは川崎フロンターレ。

J1リーグ2018 プレビュー 「ボールを握る覚悟はあるか?」


間もなく、フロンターレJリーグが開幕する。
この記事ではJリーグの今シーズンの展望について語っていく。

今年のJリーグはあるトレンドがある。
それは「ボールを握る」である。
去年のJリーグでボールを握る事に重しを置いたチームは川崎フロンターレ、ミシャスタイルの色が残っていた頃の浦和レッズサンフレッチェ広島、下平監督に導かれ、少しずつポゼッション率を高めてきた柏レイソルの4チームであった。

しかし、今年のJ1ではボールを握ることを重要視するチームが増えそうだ。

例えばJ2から昇格してきた湘南ベルマーレ名古屋グランパス
ベルマーレはチョウ監督の元、人もボールも激しく動き回る「湘南スタイル」を確立している。
そして、グランパスは現在の川崎フロンターレのスタイルを創った風間監督の元、全員の目を揃える事で相手陣内での支配率を高めるサッカーをしている。

そして、去年までのスタイルを変え、ボールを握ろうとしているチームも多数ある。

まずは横浜F・マリノス

彼らは去年までチームを率いたモンバエルツ監督からつい最近までオーストラリア代表を率いていたポステコグルー監督が就任。
彼はオーストラリア国民から結果が出ずにバッシングされた時でもボールを繋ぐ事を徹底した監督であり、間違いなく今までのマリノスのイメージとは違うサッカーが展開されるだろう。

次にヴィッセル神戸

彼らはわざわざ今年のテーマに「バルサ化」を掲げている。

http://number.bunshun.jp/articles/-/829983?page=3

実際、今年の補強では韓国代表のチョンウヨンやベガルタから三田を補強
バルサスタイルとは離れた存在に思えるウェリントンが気になるところだが楽天という大企業がバックについてる彼らならではの大型補強を見せてくれた。

そして180度やり方を変えてきそうなのがコンサドーレ札幌

広島と浦和で上位争いの実績を持つペトロヴィッチ監督を招聘。
去年までの低い位置でブロックを作り、福森の正確なロングフィードを起点として都倉やジェイを使って相手陣地に侵入するサッカーからいわゆるミシャスタイルというWBが積極的に前線に顔を出す攻撃的サッカーを見せてくれそうだ。

そのペトロヴィッチがかつて率いていたサンフレッチェ広島も森保監督退任後、チームを残留に導いたヨハンソン監督とは契約せずにFC東京などを率いた城福監督が就任した。
彼は元々「ムービングフットボール」を提唱する監督なのでやはり攻撃に重しを置くはずだ。

他にも渡邉監督が率いるベガルタ仙台フィッカデンティ監督が率いるサガン鳥栖も去年の試合を見る限り、試行錯誤しながら徐々にボールを握れるチームになっているので今シーズンはボールを握る試合が増えそうだ。

そして、去年躍進したジュビロ磐田を率いる名波監督も本来はボールを握るサッカーを志向しているはずなので今年は去年と違う戦い方を見せてくれるだろう。

また、開幕戦を見る限り今年からクルピ監督が率いるガンバ大阪も攻撃的なサッカーを展開しそうである。

こうして考えるとボールを保持することに拘らない守備的なサッカーを展開しそうなのは新監督が就任した清水エスパルスFC東京、そして昇格してきたV・ファーレン長崎位だと思われる。

つまり、今年のJリーグは空前の「ポゼッションブーム」が訪れると私は思う。

しかし、ブームというものが続かないのが世の常なのも事実。

そこで私が問いたいのはシーズンを通して「ボールを握る覚悟はあるか?」
という点である。

風間監督が就任した時のフロンターレペトロヴィッチ監督が就任した後の浦和レッズを見ていると始めの頃は選手、サポーター共にストレスの溜まる試合が多く、ほとんどの試合で自分達がボールを握り、尚且つ結果が出るようになるまで3年~5年はかかった。(世界一の資金力を持つマンチェスターシティですら結果が出るまでに1シーズンを使った)

結果を出さないとチームが降格したり、観客動員数が減る可能性があるサッカーにおいて、ポゼッションサッカーを志向するのはハッキリ言って大博打であり、実際に去年、ポゼッションに拘りを持つ吉田監督が率いたヴァンフォーレ甲府は今年、J2リーグを戦う。

私の予想では、開幕時からシーズンを通してブレずにポゼッション志向を続けるチームは今の半分以下に減るはずだ。

どのチームがシーズンを通してボールを握るチャレンジを続けるのか?
そしてその挑戦が実を結ぶまで我慢できるのか、そもそも本当に実が実るのか?

各チームのスタイルの移り変わりに注視しながら今シーズンを見守りたい。