sports diary of treasure

サッカーを語ります。好きなチームは川崎フロンターレ。

日本一巧い中盤 大島僚太の何が凄いのか?

去年、Jリーグチャンピオンとなった川崎フロンターレで背番号10を背負い、勝敗に影響を及ぼす存在となっている大島僚太

彼がいないと、フロンターレの一試合におけるチャンスの数は大きく減ってしまう。

しかし、彼自身がゴールやアシストという目に見える結果を残す事は少ない。

当記事ではロシアW杯を戦う日本代表候補にも名を連ねる日本屈指の中盤の何が凄いのかを説明する。

ボールを失わない

大島僚太の最も大きな特徴がこのボールを失わないという点だ。
彼は自分が次にプレーしやすい場所に正しくボールを置ける技術がある。
これにより一瞬で複数の選択肢を手に入れる事ができ、彼自身の状況判断力も高いので味方へのパスやドリブルを駆使しながらボールを前に運ぶ事ができる。
また、体の使い方も上手く、ボディフェイントを用い、相手の逆をつく事で簡単にボールに触らせない。
大島僚太の凄さはこの特徴をプレッシャーが厳しくなる相手ゴール前でも出せる所。
これにより、チームは相手陣内でボールをスムーズ回す事が可能になる。

常に考えながら動く

次に紹介したい特徴が常にボールを出して受ける動きを繰り返す点である。
一度、ピッチ上で彼の動きに注目して貰えば分かるのだが、彼は90分間常にボールに関与できる位置でプレーをしている。
彼の位置取りによって味方の選択肢(パスコース)が増え、チャンスとなるシーンも多く、ボールに触らなくともチームの得点機会を増やせる稀有なプレーヤーである。

また、このボールに関与する能力は守備面でも武器になる。
すぐにボールにアプローチできるポジション取りをしているため、こぼれ球を回収するシーンも多く、味方がボールを失った時もすぐにボールを奪い返し、再カウンターの起点にもなれる。

彼のプレースタイルを形容する場合、攻守の切り替えが早いというよりピッチ上で起こる全ての局面に対応できる準備を常にしているという言い方が正しいかもしれない。

今も進化を続けている

この点はハリルホジッチ監督も会見で“就任当初の大島からははるかに発展している”と評価している。
W杯最終予選での印象から守備に難のある印象を抱く人もいるかもしれないが、年々守備面でのデュエルは進化している。
また、攻撃面でも以前より最終ラインの後ろのスペースに出す縦のミドルパスの精度やサイドチェンジといったピッチの幅を使うパスへの意識が高まっており、川崎フロンターレと違い、選手間の距離が広がりがちな今の代表においても中盤で特徴を示すことが可能だと思われる。
特にロシアW杯でレギュラーを張るであろうワントップの大迫との相性はいいはずで、大島の縦パスと大迫の正確なポストプレーの相乗効果で日本にチャンスシーンを数多くもたらす事も予想できる。

引用元:日本vsマリ 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨 | ゲキサカ

不安点

ここまで大島僚太の特徴をあげてきたが、代表において活躍できるのか不安な要素がある。
一つは体格的な問題で一対一でのデュエルでは分が悪い事。
ハリルホジッチ監督は守備においてピッチ上で一対一の局面を得意とする選手を重用する傾向があり、その為に最終予選では井手口と山口が中盤で起用された。
大島は攻守において他のプレーヤーと連動することで良さが出る選手であり、一対一で守備をするシーンが増える試合展開は好ましくない。
これは攻撃においても同様で味方がボールを彼に出し、そして彼からボールを受ける準備をしなければ彼の良さは出ない。
最終ラインから前線へのロングフィードが多くなったり、彼の近くにいる選手がボールを貰いたがらずに前線で待機するような単調な場面が増え、中盤の経由地点としての役割を果たせなくなると彼はピッチ上で孤立してしまうだろう。


※雑談※
今夜行われるマリ戦で彼が先発出場するという報道がある。
彼が試合中に敵陣でどれだけボールを触れるかがロシアW杯への生き残りをかけた一つのポイントとなるだろう。